添い寝だけのはずでしたが
職員室で先生に聞いたところ、私の教室は葵さまと同じで2年1組みたい。


家でも学園でも一緒にいないといけないのは、お互い少し窮屈かもね。
 

クラスぐらい離して欲しかったと思いつつも、葵さま専属メイド兼、添い寝係として雇われたのだから、学園でも葵さまのお世話をしろということだよね。
 

贅沢は言ってられないし、葵さまのメイドとして出来ることをするまで。


腹をくくって教室に入ると、クラスメイトが一瞬ざわついた。


「こんな時期の転校生って、ワケあり?」
「おーっ、美人!」
「今朝、葵さまと一緒に登校していた子よ。何者?」


色々な意見が聞こえるけど、葵さまは一番後ろの席で、こちらを気にすることもなく涼しい顔をしている。


先生に促されて黒板付近にある教卓の前に立ち、簡単に自己紹介を済ませた。


私の席は葵さまの隣だと聞いて、ササッと自分の席に着いた。


それでもこちらを見ようともしない。


一体どういうこと?


他人のフリをしろってことなのかな。


それとも、私がどうというか、全てにおいて興味なし……。


そのまま授業が始まり、ふと葵さまへ視線を投げかけると、頬杖をついたまま眠っていた。


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