添い寝だけのはずでしたが
――ガッシャーン!!


 あー……。


 生徒のひとりが、給食のおかずが入った容器を落としてしまった。


 持ち合いっこをしているうちに、ふざけてひとりが手を放してしまった様子。


「あー、また安城先生のクラスか、やんちゃ過ぎるな」


他の先生に怒られることや、嫌になる出来事もしょっちゅう。


「すみません! 他のクラスからもらってきます」
 

急いで教室を飛び出すと、次から次へと生徒たちが着いて来た。


「俺、頭下げに行く!」


「私も!!」


 生徒たちのことはかわいくて仕方がない。


 小さな体でめいっぱい生きていて、熱心で、頑張り屋で、こっちが学ばせてもらうことが本当に多い。


 ちょうど校長先生が通りかかって、止められた。


「タイミングがいいな! 給食の新しい業者さんが来校していて、ちょうどサンプルを持って来てくれてる。職員室で試食する予定だったが、今回特別に1組に運んでもらおう」


 本当に!?


 給食を分けてもらうのは今年に入って3回目で、正直頭が痛かったんだよね……。


 校長先生にお礼を言って、サンプルを運んでもらった。


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