添い寝だけのはずでしたが
「それにしても、かわいいな~。当然彼氏はいるよな。突然転校して心配してるんじゃねーの?」


「ええっ、いないよ」


「マジ? じゃあ俺がなろうかな……」


そこで、葵さまが渋谷くんを小突いた。


「うるさい、少しは黙ってろ」


これまで何も言わなかったけど、これってまた助けてくれたのかな。
 

そう思うけど、葵さまは相変わらずだし全く分からない。


別館に辿り着いて中へ入るとそこはまるでレストランのようで、壁沿いに和洋折衷、たくさんのお料理が並べられている。
 

圧倒されて入口に立ち尽くしていると、葵さまと渋谷くんは先に進んで行った。


ふたりを見ていて気付いたこと。


同じイケメンでも渋谷くんはちょっとチャラくて、女の子に次々と声を掛けては愛想を振りまいている。
 

対して葵さまは女子生徒に声を掛けられても相手をすることもなく、クールにやり過ごしている。
 

葵さまはそういう人なんだね……。


< 26 / 248 >

この作品をシェア

pagetop