添い寝だけのはずでしたが
「点滴も打ったし体力は回復してるはず。今日はもういい、ゆっくり休め」


頭に手がそっと触れて……撫でられた気がしたと思ったら、葵さまはすぐに部屋を離れた。


ドキっとした……。


急に優しくなるとか聞いてない。


ギャップ有り過ぎでしょ!


しかも、今気付いたけど……制服じゃなくて自分の部屋着を着ている。


ど……どういうこと? まさか、葵さまが……。


考えただけで顔が熱くなる。


ううん、きっと美沙さんが着替えさせてくれたんだよ……そうじゃないと困る!


休んでいいと言われたけど、点滴が効いているのか体はすっかり楽になっていた。


そのうち葵さまが戻ってきた。


「まだ起きてたのか……さっさと寝ろ」


「あの……私がいたら葵さまは余計に眠れないよね。すぐに出て行く……」
 

急いでベッドから降りようとしたら、足がもつれてしまった。
 

そこを咄嗟に抱き留められる。
 

うわ……この感じ……。
 

今日教室で私を受け止めてくれたのは、やっぱり葵さま……。



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