添い寝だけのはずでしたが
「何度倒れたら気が済むんだ?」
 

そしてすぐに軽く押すようにして遠ざけられた。
 

扱いは雑だけど、今までほど冷たい感じはしない。


「今日はここまで運んでくれてありがとう……それと、たくさん心配をかけてごめんなさい……」
 

理由はどうあれ、迷惑をかけてしまったことには違いない。


初日からこんな感じで、葵さまの方こそ嫌気が差してるよね。


「気にするな。まあ……他人と一緒のベッドで気が休まらないだろうけど、ここで寝ていいから……」
 

どういう気まぐれ?
 

それとも治療に前向きになったのかな……。
 

どっちにしても、私も悠長に眠っている場合じゃないよね。
 

私の本業は添い寝係なんだから。


「葵さまが眠りにつくまで、ここにいるね」
 

さっき葵さまがしていてくれたように、枕元に座る。
 

ここで私が起きるのを待っていてくれたのかな……心配してくれていた?
 

まさか……ね。



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