添い寝だけのはずでしたが
「そう言われても……授業について行けない」


「必死に勉強することだな」


 特進クラスにの人とは元々の出来が違う気がするけど、確かにまだ何もしていない。


「そうだね……きっと、何度もやればできるようになるはず。せっかくいい環境に巡りあえたし、このチャンスを活かして頑張るね」


葵さまは何か言いたげにしていたけど、結局何も言わなかった。





お昼休み、葵さまに放置された私は昼食を買うために教室を出た。


一緒に食事するのかと思っていたし……ほんの少しだけ寂しい。
 

そんなことを言ったら葵さまに鼻で笑われるのは目に見えてるし、これは自分の中で留めておこう。
 

学園のほとんどの人がデリバリーらしいけど、校内のカフェでパンを販売しているみたい。


誰かに絡まれたらすぐに連絡しろよとは言ってくれたけど、まあ大丈夫でしょ。
 

ロッカー室は立入禁止だし、昨日も周りに人がいなかったよね。
 

あそこなら静かに食事できそう。
 

その近くのベンチに座って食べていると、見覚えのある人が近付いて来た。


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