添い寝だけのはずでしたが
その名前に、ハッとする。


 実は私もちょっと気になっていた。


この合宿中、葵さまの近くにエマちゃんの姿をよく見かけることを。



偶然かな……と思っていたけど、何かあったのかな。


「告白してるのを見たの。葵さま、嬉しそうにしてて……それで……」


「え?」


 耳を疑った。


「部屋に連れて入ったの……」


「そ……そうなんだ」


 葵さまの私生活に口を挟むつもりはないし、関係のないこと。


 この間の課題提出の件で疑わしい行動もあったし、私には接触するなと言っているけど、かわいいエマちゃんから告白されたら嬉しくなるのかも……。


 なんだかよく分からないけど、すっかり気が動転している。


 どうしちゃったの、私……。


「他のクラスの彼氏と待ち合わせしてたから、その後どうなったか知らなくて」


「教えてくれてありがと」


 にこっと笑ったつもりだけど、完全な作り笑顔になってるのが自分でも分かる。


 このみちゃんが突然興奮して、テーブルをドンと叩いて私に訴える。


「普段から葵さまは、寧々ちゃんに対して冷たいよね! だから女子は安心してるっていうのもあるけど、今回のことは怒っても良くない?」


「う……うん……」


すると、ずっと黙って聞いていた、千咲ちゃんが口を開いた。


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