添い寝だけのはずでしたが
次から次へと色々なことが頭に浮かぶ。


 もう頭がパンクしそうになっていると、このみちゃんが千咲ちゃんに手をあげようとしていた。


 さすがにそれはダメ!


 止めようとしたら、後ろから鋭い声が聞こえた。


「おい、なんの騒ぎだ」


 この声……。


 振り返ると、さっきまでカフェの奥にいたはずの葵さまと数人の男子が勢揃いしていた。
 

葵さまを筆頭に、渋谷くんや他のイケメンだらけで圧倒されそうになる……。


って、感心している場合じゃない。


このみちゃんを渋谷くんが宥めている間に、葵さまをカフェの奥へと連れていく。


 やっぱりどうしてもエマちゃんとのことが気になるし、直接聞いてみることにした。


 カフェの奥には外につながっているテラス席があり、ふたりでそこへ出た。


 海が荒れ始めていて、波が少し高くなってきた。
 ザッパーンと、防波堤に波打つ音が激しく聞こえる。


 その音に負けないぐらい、私の心臓がドキドキと激しく打ち響いている。


 こんなこと言って……いいのか分からないけど……言わずにはいられない。


「葵さまの恋愛は……自由だけど、学園では私が彼女だから……その……」


「は?」


 何が言いたいんだよとばかりに、首を傾げている。


「明日は……一緒にいて?」

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