Dying music 〜音楽を染め上げろ〜
「夏樹~大丈夫~?」
んん……
顔を上げると目の前に彩音と色葉の顔があった。
…ん⁉
「私、寝てた?」
「うん。がっつり寝てたよ(笑)」
笑いながら彩音が言った。
もう帰りのHR終わったの?意識飛んでた。みんな帰り始めてんじゃん。その中で1人だけ寝てたのか。急いでリュックに荷物を詰める。
「待たせてごめん。行こう。」
最近はすぐ眠たくなる。ここまで深刻になるとまずいな。
「夏樹、最近疲れてる?」
色葉が急に聞いてきた。
「え?」
「目の下、クマがすごい。ちゃんと寝てる?」
「ほら」と彩音が手鏡を差し出した。本当だ。黒くなってる。多分、昨日の徹夜だ。数学のワークが終わらなくて1時過ぎまでやっていた。無事に寝落ちして朝もギリギリだった。
「ちゃんと休んでね?テストも始まるし。」
「うん。ありがとう。」
そこからは勉強漬け。学校がある日は色葉たちと居残って勉強。夜も日付変わるまでやる。数学のワークをして古典の音読。ある日は世界史の遺跡の名前を覚えて書き出す。
疲れたら文化祭の演出セット考えて気分転換。ギターは弾くと止まらなくなるから1日1時間に制限した。動画はもう用意したからテスト終わったら投稿するだけ。Midnightの方はしばらく店内の手伝いのみ。
「あーぁっ、しんどい。」