Dying music 〜音楽を染め上げろ〜




「今日はよろしくお願いします。」




Midnightにも復帰した。

サポートの時は基本、バンドさんに合わせた。お客さんの顔色を伺って弾いた。

また変な目で見られることが嫌だったから。

本当の自分や感情を出すのはネット上だけ。

MidnightでCyanとして歌うときは顔を隠した。






もっと実力をつけた。






声も低音域だけじゃなくて高音域のトレーニングもはじめて自分が歌える曲の種類を増やした。


この頃、ようやく声質が安定してきて「Cyanの歌声」が定着した。


Mix技術も試行錯誤してクオリティを上げる。


オリジナル曲も何曲か作った。語彙力を高めるために、色々な本を読んだ。


人を信じられなかったから全部自分で作ることにした。


映像も曲もセルフプロデュース、全部自分で作り上げる。


量よりも質を重視した。


実際、今のチャンネルにアップしてある動画本数は少ない。


その分、再生回数は最低でもどれも30万回は超えている。


ただ純粋に歌だけを聞いてほしい。


だから性別を隠した。もともと性別概念もなかったし。


オファーも受けない、顔出しや雑談配信なんかしない。


歌声と歌唱力で引き込む。


信じるのは自分の感性と経験。


僕だけにしか作れない世界観で人の心を引き込んで動かしていく。













これがCyan。




これが如月夏樹。
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