Dying music 〜音楽を染め上げろ〜
「ありがとうございます!それではアンコールにお応えして、これで締めたいと思います!クラウドで地上線上の彼方!」
……♪♬♪♪!♬♪―
体育館に再び鳴り響いた僕らの音。最初はぎこちなかったが、次第にリズムが合ってきた。笑顔を取り戻し、緊張も解けていく。OKOK,音作りも整ってきた。
初ステージで演奏した曲が「地上線上の彼方」。数か月の間にも何度か合わせた。夏合宿でもやり込んだし、回数を重ねるごとにレベルが上がっているのが自分たちでも分かる。成長過程を感じさせてくれる1曲。
♪♬♪♪ー♬♪~
会場全体が揺れている感じがする。高校生はお金をたくさん持っているわけでもないし、アイデアだってそんな優秀なものは思い浮かばない。
この場所は音響設備が整ったライブハウスではない。煌びやかなライトもない。
それでも、この空間は今、
フェスのような熱さが広がっている。最高に楽しい。
♬♪♬―♪♬♪♪♬♪ー………
「以上で軽音楽部AMITIEによるパフォーマンスを終わります。アンコール含め、本当にありがとうございました!」
大歓声に包まれながら、全員で深く頭を下げた。