Dying music 〜音楽を染め上げろ〜



1年生教室がある4階に戻ると廊下で少し集団ができた。クラスの子が「すごかったよ」とか「かっこよかった」って言ってくれて嬉しかった。涼も怜斗も友達から褒められていて満更でもない顔をしていた。恭也に限ってはクラスの子からいい意味で絡まれてるし。


店に来ていた顔も名前も知らない先輩たちに声をかけられもした。クラスの子に聞いたところ、ステージ発表はめちゃくちゃ好評らしい。思っていた以上の反響に驚いたよ。………文化祭マジックってすごいね。もちろん、そのあと色葉たち書道部のパフォーマンスもしっかり見た。掛け声とか、カラフルなインクとかめちゃくちゃ見ていて面白かった。色葉の字も上手で思わず写真を撮ったほどだ。



それから閉会式を行って教室整備。残念ながら文化祭大賞は取れなかったが、クラス全員の思い出に残るものができた。



せっかく飾りつけした装飾や風船を外していく。窓に貼っていたイラストやメニュー表も取り外す。机も戻して黒板も綺麗に。だんだんといつもの殺風景な教室に戻っていく様子に少ししんみりとする。


「風船割るぞ~!」


足でパンパン勢いよく風船を割っていくクラスの男子。やっぱり男子って風船の割り方あれなんだ。女子は女子で余ったシールやら小物をみんなに配っている。……片付けもいいもんかもね。ちゃんと綺麗になったらHRをして解散。





「うちら帰るけれど夏樹は?」

「まだ片付け残ってて。一緒に帰れないや。ごめんね。」

「そっか!じゃあまた来週ね!」
< 179 / 190 >

この作品をシェア

pagetop