Dying music 〜音楽を染め上げろ〜
如月君を勧誘しようとして数日が過ぎた。
……進展なし!
直接会って話したいが、教室には来ていないから分からない。知っていることは茶髪でギターが弾けるってことだけ。情報量が少なすぎる。
「おーす!」
考えていると怜斗がやってきた。
「情報あった?」
「ゼロよ。」
「そこで提案なんだけれど、あの2人に直接聞いてみるってのは?」
「2人?」
「あの2人。」
そう指さしたのは中央付近の席の~……佐野さんと風間さんだ。
「え、お、俺が?話したことねぇんだけど。」
「いーからよ。如月ってやつと話したのはあの人たちしかいなんだろ。」
……仕方がない。涼は席を立つと話している2人のところへ行った。
「あのっ、」
不思議そうに涼を見る。
(やっべ……)
「どうかした?」
佐野さんが聞いてくる。
「あの、急でごめんなんだけれど、2人って如月くんと友達?」
「如月……あ、夏樹のこと?うん、そうだよ。」
「夏樹がどうかしたぁ?」
そして軽音楽部に勧誘したいという旨を伝える。2人は黙って顔を見合わせた。そして
「何ならいっそ会ってみたらどうかな?」
……会う?
「夏樹は毎週月、水、金に保健室登校してるよ。だいたいいつもお昼休み後に帰っちゃうかな。」
週3か。でも大きい情報。
「ありがとう!」
ペコっと頭を下げて戻っていった。
―――――― 一方、2人は
「…あれ、今うちら如月くんって言われたっけ?」
「……………そうじゃん!もしかして分かっていないとか?」
「えぇ、まさか!…まぁこれはこれで面白いんじゃないの?(笑)」