Dying music 〜音楽を染め上げろ〜




如月君を勧誘しようとして数日が過ぎた。


……進展なし!


直接会って話したいが、教室には来ていないから分からない。知っていることは茶髪でギターが弾けるってことだけ。情報量が少なすぎる。


「おーす!」


考えていると怜斗がやってきた。


「情報あった?」

「ゼロよ。」

「そこで提案なんだけれど、あの2人に直接聞いてみるってのは?」

「2人?」

「あの2人。」


そう指さしたのは中央付近の席の~……佐野さんと風間さんだ。


「え、お、俺が?話したことねぇんだけど。」

「いーからよ。如月ってやつと話したのはあの人たちしかいなんだろ。」


……仕方がない。涼は席を立つと話している2人のところへ行った。


「あのっ、」


不思議そうに涼を見る。


(やっべ……)


「どうかした?」


佐野さんが聞いてくる。


「あの、急でごめんなんだけれど、2人って如月くんと友達?」

「如月……あ、夏樹のこと?うん、そうだよ。」

「夏樹がどうかしたぁ?」


そして軽音楽部に勧誘したいという旨を伝える。2人は黙って顔を見合わせた。そして


「何ならいっそ会ってみたらどうかな?」



……会う?



「夏樹は毎週月、水、金に保健室登校してるよ。だいたいいつもお昼休み後に帰っちゃうかな。」


週3か。でも大きい情報。


「ありがとう!」


ペコっと頭を下げて戻っていった。






―――――― 一方、2人は






「…あれ、今うちら如月くんって言われたっけ?」

「……………そうじゃん!もしかして分かっていないとか?」

「えぇ、まさか!…まぁこれはこれで面白いんじゃないの?(笑)」



< 20 / 191 >

この作品をシェア

pagetop