Dying music 〜音楽を染め上げろ〜

AMITIE





入部して早2週間。少しずつセッションをしたり曲合わせをしたり本格的に部活っぽくなってきた。

涼はドラム。体が大きい分、力強い演奏をする。

怜斗は弾けはするけど、まだ若干初心者感がある。まずは基礎からってところかな。

恭也は……悔しいけれど上手い。滑らかに弾くし、音取りも間違えない。




「よーし、これ合わせてみよう~」




涼が声をかけたとき、戸が開いた。



「あ!皆さんやってますね~!」



そういって入ってきたのは天然パーマの若い男性教師。


「君が如月さん?はじめまして。顧問の内田といいます。」


顧問の先生か。ふわっとした人だな。



「先生お久しぶりです!どうしたんですか?」

「実は君たちに提案があって~」



そういってファイルから紙を取り出した。


「じゃーん!これ、出てみない?」




みんなで紙を覗き込む。


「中高生バンドフェス?」

「そう。県内で毎年行われてるイベント!主に中学校や高校の軽音楽部が集まって演奏するんだよ。この学校に軽音楽部があったとき、君らの先輩も出ていたんだけど…どう?」

「出ます!」



涼が速攻で返事をした。このメンバーで初ステージか。


「OK!じゃあ申し込み手続きはこちらからしておくよ。それじゃあ頑張って!」


そういうと慌ただしく部屋を出て行った。


「忙しそうだね。」


5分もいなかったよ?ばーって入ってきてバーって出て行って鳩みたい。



「あの先生卓球部の顧問と兼任だからな。」




だからか。みんなで改めて用紙を詳しく見る。



「どれどれ~、人数制限なし。1チーム2曲まで。コピー、オリジナルなんでもあり!だってさ。」

「大会ってよりかは交流会みたいなやつらしい。毎年結構チーム出てる。」



恭也が調べたページを見せてきた。思ってたより大規模だな。開催日は……体育祭の翌々週か。




< 41 / 190 >

この作品をシェア

pagetop