Dying music 〜音楽を染め上げろ〜



3人と別れてお昼休憩。お喋りしながら弁当を食べる。午後は借り物競争と応援パフォーマンス第2弾と選抜リレーか。


「ごめん!3組選抜リレーメンバーいる?」


副級長の真由ちゃんが急いで教室に入ってきた。


「全員いるよー」


男子が声を出す。足立さんはリレーメンバーの子の近くに行くと慌てた様子で話し出した。


「あのっ、急で申し訳ないんだけれど第3走の涼香ちゃんが怪我しちゃって…。メンバー交代したいの。」


その言葉にクラスがどよめいた。涼香ちゃんってポニーテールの子だよね。大丈夫かな。


「捻挫らしいんだけど、夏に部活の大会あるから顧問からもストップかかって……」

「マジかよ。どうすんだ、」



すると足立さんはくるっとこっちを見た。



「夏樹ちゃん、代走お願いしてもいいかな?」





「ふぇっ!?」



急なこと過ぎて間抜けな声を出してしまった。おかずが喉に詰まりそうになる。彩音も色葉もポカンと口を開けてしまった。


「体育の時のタイムだと涼香ちゃんの次に速くて、……これタイム表。」


渡された紙を覗く。


7.7秒。


「速すぎでしょ……」


若干引き気味で色葉が言う。あれ、こんなに足速かったか?


「夏樹ちゃんそれならいけるって!めっちゃ速いよ!」


周りの子がそういう。


「私もリレー出るんだけど、コースとか教えるよ!まだ時間あるし!」


メンバーの女子もそう言ってくれた。



……正直やりたくないよ。練習一回もしていないし。ルール何も分かんないよ。でもクラスの子困ってる……。うーん、これは仕方ない。


「うまくできないかもしれないけれど……それでもいいかな?」

「うん!サポートするよ!」


なんて優しい子なんだ。


「夏樹ちゃん、頼んでもいい?」


真由ちゃんから再度確認を受ける。


「うん。頑張る。」

「ありがとう!」


パッと明るく笑ってくれた。


「じゃあ昼食ったらグラウンド裏集まろうぜ。」


メンバーの男子が声をかける。急いでご飯を食べると身支度をして教室を出た。


「あれ、夏樹どしたん?」


廊下で涼とすれ違う。


「選抜リレー出ることなった。」

「はぁぁっ!?」



もう1人のメンバー、未来ちゃんは陸上部らしい。タイム聞いたら50メートル7.2秒だってさ。速すぎだよね。みんなからコースのこと、バトンの渡し方を教えてもらった。

選抜リレーは一学年4人×3学年で12人がチーム。並び順は学年内なら男女関係なし。僕は男男女女の第3走目。あぁ~、緊張する。競技なんて見てられない。そろそろ招集かかるな……行かなきゃ。


「夏樹~ガンバっ!」


色葉たちが応援する。


「学校来て早々リレー選とかついてるわアイツ。」

「それより、今頃びっくりしてると思うぜ(笑)」


ククッと涼が笑う。

「何がびっくりするの?」

「実はさ、ーー」


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