Dying music 〜音楽を染め上げろ〜
どっちも1回戦突破したら2回戦目であたる。コードと準決勝争いになる可能性があるということ。
「俺は余裕で1回戦突破するけどさ。…頑張ってね?」
そうだ、まずは1回戦目に勝たないと次には進めないんだ。
それからバトルが始まった。みんな一人ひとりがレベル高い。プロもいるんじゃないかってくらいの人もいた。お客さんのノリもすごいし、全体が熱い。
……見て分かったのはただ上手いだけじゃダメだってこと。お客さんも巻き込まないといけない。会場の雰囲気を味方につけないと勝てないんだ。掛け声を入れたり、煽ってみたり、全体をよく見てパフォーマンスをする必要がある。
その後宣言通り、コードは相手に大差をつけて1回戦目を突破した。そして俺も何とか突破。
ステージ裏で待機していると、
「ちゃんと上がってきたじゃん~」
小さく拍手をしながらコードが現れた。
「どうも、」
コードはそのまま目の前まで来た。
「次、本気できてね?
―絶対潰すから。」
ひゅっ…。
笑顔が消えたその顔に息が止まりそうになった。…いちいちひよってんな。いつも通りだ。喉の調子を整えて、名前が呼ばれるのを待った。
「続いては初バトル参加にして1回戦突破!Cブロック、ジュン!」
さっきよりも人が増えている。客の視線が自分に刺さる。
みんな、見てる。こわ、
……考えんな考えんな。今はー
「そして前回王者!Dブロック、シュート!」
目の前のコードに集中だ。
「バトル、スタァートっ‼」