30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
どうにか平静を装っていたのだけれど、どうしても顔に出てしまう。
女性3人衆はそんなことが起きているとは知らず、自分の服についたシミを消すことで精一杯みたいだ。

「えっと、そっちは?」
大翔が美加と一緒にいる麻子に気がついて視線を向けた。

「美加と同期の山方麻子です。稲尾さんの評判は前々から聞いています」
「嫌な評判だったらどうしようかな」

大翔が3人衆へ視線を向けたあと、麻子へ視線を戻して苦笑いを浮かべる。
女癖が悪いとか、そういう話は一切きかないので安心してほしい。

「もちろん、仕事ができるってことで評判です。よかったらご一緒しませんか?」
3人衆はまだまだ自分のことで慌てているようで、大翔が落ち着いて食事できそうにない。

麻子の提案を断る必要もなく「そうさせていただこうかな」と、大翔が移動を始めた。
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