30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
まさか大翔と一緒に食事をすることになるとは思っていなかった美加は動揺して視線を泳がせる。
「大丈夫だから、安心して」

麻子にこそっと耳打ちされてようやく落ち着き、自分の席に座った。

さっきまでは落ち着いて会話できていたのに、こうして食事を一緒にするとなるとまた雰囲気がガラリと変わる。

どんな会話をしていいのかわからず、美加はただただパスタを口に運んだ。
「稲尾さんはいつもデスクで食べてるんですか?」

沈黙を見かねて麻子が質問をした。
大翔は定食から顔をあげて「そうだね。だけどもうそれもやめようかと思ってるんだ」と、答えた。

どうして?
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