30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
とは、質問しなかった。
ここへ入ってきたときの彼女たちの大きな会話で大方のことはわかっているから。

「お弁当を断って大丈夫なんですか?」
勇気を出して美加が質問すると、大翔は大げさに肩をすくめてみせた。

「元々頼んだこともないしね。それに彼女たちが作るお弁当は肉料理ばかりで偏ってるんだ」
最後の方は小声になって教えてくれたので、麻子と美加は思わず笑ってしまった。

大翔としても、もううんざりしてきていたところなのだろう。
「それに、ここに来たほうが沢山の社員さんと会話ができるから、結意義な時間を過ごせそうだしな」

「やっぱり、仕事熱心なんですね」
美加が関心して言うと、大翔は首をかしげた。
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