30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
そういえばそうだったと思いだしてももう遅い。
それに、今の美加からすれば十分頑張ったと思う。

あの3人衆から大翔を奪って一緒に食事をしたのだから。
「これでも頑張ったんだから、もう少し褒めてくれてもいいのに」

ふくれっ面をしてそうつぶやいたときだった。

突然後ろから「ちょっと!」と声をかけられて振り向くと、そこには顔を真赤にして腕組みをした3人衆が立っていた。

この3人の存在をすっかり忘れてしまっていた。

そもそも美加たちのことをライバルとは認識していなかったはずなのに、完全に逆鱗に触れてしまったことになる。

麻子はそそくさと席を立ち、美加の手を引いて歩き出す。
「待ちなさいよ!」

「そうよ! 話くらい聞きなさいよ!」
「ずるいわよあんたたち!」

そんな声を後ろに聞きながら、ふたりは食堂から逃げ出したのだった。
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