30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
こんなにため息ばかりついていてはいつか幸せが消えてしまうかもしれない。
「あれ、ハズレだった?」

麻子が申し訳なさそうな表情になるのがまたいたたまれなくて、美加は無理やり笑顔を浮かべた。

「ううん、当たってる。楽しくて飲みすぎちゃった」
優しい同僚をこれ以上心配させるわけにはいかなくて胸が苦しくなる嘘をつく。

麻子は美加の言葉を聞いてまた笑顔に戻った。
「そんなことだろうと思ったよぉ。でも、誕生日おめでとう」

麻子はそう言うとデスクの中に常備してあるチロルチョコを取り出して美加の手に握らせた。
「これがプレゼント?」
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