30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
まるでタイミングを見計らっていたかのようなその動きに、美加は一瞬ムッとする。
その証拠に、1人が美加の方へ視線を向けて小さく舌をだしてきたのだ。

可愛らしいその仕草も今の美加にとっては腹立たしいものでしかない。
3人衆に囲まれてしまった大翔は振り払うこともできずに自分の部署へと引き込まれていく。

3人衆の1人から勝ち誇った笑みを浮かべられた瞬間、美加は『ほどけろ』と、念じていた。
それは昨日のうちに麻子から聞いておいたラブハプニング4のやり方だった。

タイミング的にどだったかわからないけれど、このまま仕事が始まると悔しくて仕方ない。
美加が解けろと念じたのは大翔の革靴の靴紐のことだった。

突然靴紐がほど超えた大翔は逆の足でそれを踏んでしまって、前につんのめった。
3人衆はキャアキャアおしゃべりしていてそれに気がついていない。
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