30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
☆☆☆
美加がこの会社に入社したとき、世界はまだ平和で歓迎会は普通に開かれた。
それはホールを貸し切っての立食パーティで、穏やかな空気が漂っていた。
「こういう歓迎会だと変な上司が絡んでこなくていいよねぇ」
女子たちのグループがそんな会話をしていたから、美加も同意したのを覚えている。
だけど、絡んでくる上司というのはどんなパーティでも存在しているものだと、身を持って知ることになる。
1人会場を抜け出してトイレに立った美加は、出てきたときにハゲたメガネの上司に声をかけられた。
確か人事部の人で、美加とは面接のときに会ったきりだ。
入社してしまえば会うことはほとんどない。
「やぁやぁ羽川くん。無事に入社したんだね」
「はい、おかげ様で」
美加がこの会社に入社したとき、世界はまだ平和で歓迎会は普通に開かれた。
それはホールを貸し切っての立食パーティで、穏やかな空気が漂っていた。
「こういう歓迎会だと変な上司が絡んでこなくていいよねぇ」
女子たちのグループがそんな会話をしていたから、美加も同意したのを覚えている。
だけど、絡んでくる上司というのはどんなパーティでも存在しているものだと、身を持って知ることになる。
1人会場を抜け出してトイレに立った美加は、出てきたときにハゲたメガネの上司に声をかけられた。
確か人事部の人で、美加とは面接のときに会ったきりだ。
入社してしまえば会うことはほとんどない。
「やぁやぁ羽川くん。無事に入社したんだね」
「はい、おかげ様で」