30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
ふと気がついたように大翔がスマホを取り出した。
それを見て美加はハッと目を見開く。

「よかったらオススメの本とか映画とか、なんでもいいから教えてよ」
「わ、私でよければ……!」

嬉しすぎて思わず声が上ずった。
まさか大翔の方から連絡先を交換してほしいと言ってくるなんて、思ってもいない展開だ。

「それじゃ、また明日」
手を振って電車を下りていく大翔に手を振り返す。

電車のドアが閉まった後も美加はしばらくボーッとしていたのだった。
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