30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
もしかしたら外回りに行っているのかもしれない。
そんな不安がよぎったそのときだった。

「羽川さぁん。今日は私の作ったお弁当食べてくださいよぉ?」
という声が聞こえてきて美加は咄嗟に柱の陰に身を隠した。

営業部から出てきたのは大翔と3人衆のうちの1人だった。
今もまだしつこくお弁当を作ってきているようで、大翔は困ったように眉を下げている。

「今日も社食にする予定なんだ」

大翔は大股で歩いてどうにかその子を振り払おうとしているが、ベッタリとくっついて歩いて振り払えない。

なかなかしつこい相手のようで美加も歯噛みした。
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