30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
☆☆☆

「その様子だとラブハプニング6もうまく行ったみたいね」
会社に戻ってきた美加を見て麻子はすぐに声をかけてきた。

美加は夢でも見ているような気持ちで頷く。
水がかかった胸元はまだ冷えているのに、大翔に触れられた場所でもあるから熱く熱を持っている。

「これで相手も美加のことを意識すると思うよ。少なくても今日1日くらいは」
「今日1日だけ?」

あれだけ色々と頑張ったのに効果が薄すぎないだろうか。
不服を顔に出していると麻子がグイッと顔を近づけてきた。

「相手はあの稲尾大翔なのよ? 女の色気だってきっと慣れてるに決まってる。あんたのいいところはうぶなところなんだから、それを忘れちゃダメよ」

うっ……そ、そうなんだ。
麻子の威圧的ともいえる態度にたじろぎ、美加は素直に頷いたのだった。
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