30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
と、頑なになっている。
ようやく到着したエレベーターに乗り込んで医務室のある階で下りる。

そこにも当然社員たちの姿があり、何事かと視線を向けられてしまった。
美加は終始うつむいたままで、できるだけ周りを見ないようにした。

「すみません足を怪我して……」
そう言いながら足で器用に医務室のドアを開けた大翔だったが、中に誰もいないことに気がついて言葉を切った。

どうやら医務員さんはでかけているみたいだ。
「困ったな。誰もいないのか」

美加を真っ白なベッドに座らせて大翔が頭をかく。
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