30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
大翔は本当に安心したように微笑んだ。
「ひどくひねってたらどうしようかと思って、ずっと心配してたんだ」

そんなにずっと私のことを考えてくれていたんだろうか?
そう思って胸がときめいたけれど、黙っていた。

「心配ありがとうございます。でも、大丈夫ですから」

今日もストッキングの下に目立たないよう、肌色の湿布を貼り付けているけれど、それはバレていないみたいだ。

それからふたりで他愛のない会話をして車で10分ほど移動すると、目的の映画館に到着していた。

映画館のフロアには数人の人しかいなくて、今は上映時間中なのだとわかった。
ふたりが見る映画はあと30分ほどで上映が始まる。
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