30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
デザートは気に入った。
料理もとてもおいしかった。

だけどこれを食べ終えたら今日はもう帰らないといけないのだと思うと、スプーンを持つてが止まってしまう。

明日になればまた会社で会えると自分に言い聞かせても、楽しい時間はどうしてこうもあっさり過ぎていくのだろうと思わずにはいられなかった。

「羽川さん」
美加が溶けていくアイスを見つめていると、不意に名前を呼ばれて顔を上げた。

そこには大翔の真剣な顔があって、なんとなく居住まいを正す。
「はい」

「よければ、僕と付き合ってくれない?」
え……?

突然の告白に美加はポカンと口を開けてフリーズしてしまった。
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