30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
美加は洗面台の前で1人身悶えする。

ふたりはすでに付き合っているからそんなことは起こらないが、麻子が言う通り大翔を何ヶ月も待たせるわけにはいかなさそうだ。

かと言って心の準備はまだできていない。
次のデートで早くもそういう雰囲気になったらどうすればいいのか、検討もつかない。

「あぁ……どうしよう」

好きな人と付き合うことができればそれでハッピーエンドという物語ばかりを見て来たから、この先どうすればいいかわからない。

経験不足、勉強不足だった。
とにかく落ち着かせるために手を洗い、ハンカチで拭きながら蛇口を止めようとする。

……が。
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