30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
☆☆☆

大翔と付き合い初めて一週間が経過していた。
毎日朝と夜のメッセージ交換をして、昼は一緒に食べるときもある。

あの3人衆も薄々ふたりの関係について気がついているようで、今では大翔にベタベタくっつくこともなくなっていた。

「あれ……」
コロコロと転がったケシゴムは美加の手の中ではなく隣の麻子の足元で止まってしまった。

「なぁに遊んでるのよ」
ケシゴムを拾った麻子が『忙しいときに遊ばないで』という様子でケシゴムを渡してくる。

美加はそのケシゴムをジッと見つめて首をかしげた。
「さっき給湯室で大翔さんに会ったんだけど、そのときもなんか力がうまく使えなくて」

美加は自分の右手を握ったり広げたりする。
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