30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
給湯室で大翔がお茶をこぼしてしまいそうになったから咄嗟に魔法を使って止めようとしたのだけれど、湯呑は中途半端にバランスを崩した状態で止まり、大翔は大いに驚いていた。

そのときに自分の魔法がバレたのではないかと、ヒヤヒヤしたものだ。
幸い大翔は驚いただけでそれ以上その出来事への言及はなかったのだけれど。

「それってもしかして脱処女が近いってことじゃない?」
麻子の言葉にブッ! と吹き出してしまう。

もしそうなのだとしても、こんな場所でその言葉は使わないでほしかった。
「そ、そんなこと……」

と言いかけて口を閉じる。
実は次の休日にデートの予定が入っていて、プランはすべて大翔にまかせている。

なにが起こるのかわからない状況だった。
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