30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
もしかしたらそこで?
なんて考えただけで体温が急上昇していく。

「でも、だって……」
手の中でケシゴムを弄びながらうつむき、仕事なんて全然手につかない。

30年間守ってきた処女がなくなってしまうかもしれないなんて、考えたこともない。
「もう、仕方ないな。今日は遅く帰るように夫に伝えておくから、仕事終わりに買い物に行くよ」

「え、買い物?」
一体なんの?

と、質問する暇もなく、麻子は夫への連絡を済ませてしまったのだった。
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