３０歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです

大翔から部屋に誘われたら、誰だってしっぽを振ってついていくのに。
ただ、美加だけは例外だと思ってくれたのかもしれない。

「嫌なら、今からでも送って行くけど？」
その言葉に美加は大きく息を吸い込んで、左右に首を振った。

もう、覚悟はできている。
「大丈夫です。だけどひとつだけ大翔さんに知っておいてほしいことがあります」

美加は立ち止まり、大翔に向き直る。
美加は勇気を出して口を開いだのだった。