30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
☆☆☆

どうしてこうなっちゃうんだろう。
安ホテルの一室では物が飛び交い、あちこちに落下して、どんどんひどい有様になっていく。

美加と大翔は呆然と突っ立ってそれを見つめていた。
「ま、まただ。ポルターガイストだ!」

大翔が叫ぶ。
でも違う。

これはポルターガイストなんかじゃなくて、美加の力の暴走だった。
美加は大翔の腕を掴んでベッドへと歩き初めた。

目の前にすべてが用意されている。
ここで逃げ出したらなにをしにきたのかわからない。

「美加ちゃん、早く逃げないと!」
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