30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
「大丈夫です」
そう言ってベッドに上がり、上着を脱ぐ。

緊張から指先が震えてうまくいかなくて時間がかかった。
その間にもクッションが頭上を飛んでいき、壁に描けられている絵画がガタガタと揺れた。

「なにしてるんだ! こんなところにいられるわけがないだろ!」
大翔は必死で美加を部屋の外へ連れ出そうとするけれど、美加は動かなかった。

自分からデートにさそって、ホテルにもさそった。
ここまでできるなんて正直思っていなかった。

このチャンスを逃したくなかったし、いざ行為をはじめれば能力も落ち着くかもしれないと思った。
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