30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
☆☆☆

それから帰りの車の中ではひとことも会話をかわさなかった。
大翔はジッと前を睨みつけたまま運転して、気がつけば美加のアパートの前だった。

「き、今日はごめんなさい」
車を降りる前にそう言うと大翔は疲れ切った笑顔を浮かべ、手を振った。

完全に失敗してしまった……。
美加走り去る大翔の車を見つめて今にも泣いてしまいそうになったのだった。
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