30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
涙声でそう声をかけると「美加? 私だよ」と、麻子の声が聞こえてきたので慌てて鍵を開けた。
「ちょっと美加大丈夫なの?」

カギを開けると同時に心配顔の麻子が強引に部屋に乗り込んできた。
元々そうするつもりだったんだろう。

麻子の手にはスーパーの袋が握られていて、食材が入っている。
「大丈夫だよ」

「どこが大丈夫なの? すごく弱ってるじゃない」
言いながら美加の額に手を当てて熱がないか確認してくる。

どうやら病気で寝込んでいる心配をしてくれたみたいだ。

買い込んできた食材はどれも体に良さそうなものばかりだし、なにか作ってくれるつもりだったのかもしれない。
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