30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
せめて冷静になってすべてを説明したいと思った。
話を聞けばきっと麻子は呆れるだろう。

焦るからそうなるのだと怒るかもしれない。
だけど今の美加にはすべてを素直に説明するより他なかった。

「そっか……ごめんね美加」
「え?」

麻子からの予想外の言葉に美加はまばたきを繰り返す。
てっきり怒られると思っていたけれど、麻子の態度は真逆のものだった。

「私が脱処女しろって下着買わせたりしたから焦ったんだよね。本当にごめん」
「そ、そんなことないよ」

美加は慌てて左右に首をふる。
麻子がいなければ、大翔と両思いになることだってなかった。
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