30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
気分を変えるために立ち上がり、部署を出る。
今日は大きな仕事が入っているようで、廊下ではあちこちに行き交う社員の姿が多かった。

まぁ、私には関係ないけどね。
毎週火曜日に発行されるスーパーのチラシを作るのが美加の仕事だ。

先方さんから今週の目玉やおすすめ商品を聞いて、希望に沿ったチラシを作る。

先方がそれで喜んでくれる顔を見るのが美加は好きだったし、相手も美加のことをすっかり信用してくれている。

なんだかんだ言ってやりがいのある仕事だった。
トイレの個室で用を足して出ようとしたときだった。

カランッと音がして嫌な予感がした。
「嘘でしょ」
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