30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
☆☆☆
美加が眠りについた室内ではまだドラマが流れ続けていて、時計の針の音がカチカチとやけに大きく響いている。
壁のカレンダーには翌日の日付に大きな花丸が書かれていて、『誕生日!』と、美加の字で記入されていた。
これを書いたときの美加は自分の誕生日がこんな風に過ぎていくとは考えてもいなかったのだろう。
その花丸が、今はとてもさみしげに見える。
そして時計の針がカチッと音を立てて12時を知らせる。
日付が変わったその瞬間だった。
テーブルの前で眠りこけている美加の体が一瞬明るく輝いた。
それは一瞬のできごとで、その光は誰にも見られることなく、音も立てずに消えていったのだった。
美加が眠りについた室内ではまだドラマが流れ続けていて、時計の針の音がカチカチとやけに大きく響いている。
壁のカレンダーには翌日の日付に大きな花丸が書かれていて、『誕生日!』と、美加の字で記入されていた。
これを書いたときの美加は自分の誕生日がこんな風に過ぎていくとは考えてもいなかったのだろう。
その花丸が、今はとてもさみしげに見える。
そして時計の針がカチッと音を立てて12時を知らせる。
日付が変わったその瞬間だった。
テーブルの前で眠りこけている美加の体が一瞬明るく輝いた。
それは一瞬のできごとで、その光は誰にも見られることなく、音も立てずに消えていったのだった。