30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
腰に手を当てて栄養ドリンクを飲む美加の姿に店員がひとこと「今日もお疲れさまです」と、いたわりの声をかけてきた。

「おはよー美加」
「おはよー」

いつものように挨拶したつもりが、酒のせいで声がガサガサだ。
今日の午前中は絶不調であることが確定した。

「どうしたのその声」
さっそく異変に気がついて隣の席の麻子が目を丸くしている。

麻子と美加は同期入社の同い年。

入社当初からずっと仲良しだけれど、麻子の方は途中で結婚出産を経験してまた仕事に戻ってきたタイプだ。
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