30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
☆☆☆

麻子の予想では大翔が給湯室へやってくるのは午後3時くらいだろうということだった。
ちょうどおやつの時間だし、チョコレートを食べるタイミングとしてはベストだと美加も考えた。

そのため、午前中に集中して自分の仕事を進めておいた美加は午後2時半くらいから頻繁に席を立つようになった。

もちろん、給湯室の様子を確認するためだ。
上司にはお腹を壊してしまったと伝えて、トイレに行くふりをした。

その甲斐あってか、2時50分を過ぎたところで営業部のドアが開き、大翔が1人で出てきたのだ。

柱の影に隠れていた美加は足音を殺して大翔の後を追いかけた。
予想していた通り大翔はそのまま給湯室へ入っていった。
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