３０歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです

☆☆☆

今回の計画がうまくいったのかどうかは、浮足立った美加を見れば聞くまでもなかった。

給湯室から戻ってきた美加の頬はほんのりと赤く、そして目はふわふわと空中をさまよっている。

「羽川、体調はどうだ？」
と、心配する上司の声だって届いていない。

「もう大丈夫だそうです」
返事をしない美加に変わって麻子が返事をする。

美加はぼーっとしたまま自分の席にストンッと腰を下ろした。
「随分うまくいったみたいね？」

「え？　うん……」
ようやく我に返った美加が更に顔を赤くして笑う。