30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
「昨日の夜飲みすぎちゃって」
麻子に嘘を通必要はないので正直に答えて、自分の席のパソコンを立ち上げる。

美加が勤めているのは広告デザインの会社だ。

美加は主に地域スーパーのチラシを担当しているが、やる気のある人たちは新聞のチラシにとどまらず、さまざまな広告を手掛けている。

「目が腫れてるし顔もむくんでる」
隣から美加の顔をマジマジと見つめて麻子が指摘してくる。

わかっていることを指摘された美加はムッとした顔を麻子へ向けた。
「あ、そっか」

仕事を始めた途端に麻子がなにかに気がついてように手をポンッと打ったので「なにが?」
と美加も手を止める。
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