30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
大翔は3人をあしらいながらカウンターへ向かうと魚定食を注文した。
「じゃあ、私も同じやつ!」

「私も!」
「私も!」

突如現れたにぎやかな社員たちに社食の人たちも驚いている。
「でもなんで魚なんですかぁ? お肉食べないと元気出ませんよぉ?」

「そうですよぉ。昼からは外回りなんですから」
「だから私達が作ってきてあげるのにぃ」

甘ったるい3人衆の声が耳に響く。
美加はすっかり食欲をなくしてうつむいてしまった。

パスタはどんどん冷めているけれど、手をつける気にはなれない。
「君たちが作るお弁当は肉ばかりだから、魚にしたんだ」
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