優しい彼の裏の顔は、、、。【完】
番外編
 式からひと月、仕事が休みの詩歌は樹奈の元を訪れていた。

「樹奈さん、体調、どうですか?」
「うん、だいぶ良くなった……けど、相変わらず気持ち悪い……何もする気になれない……」

 樹奈は妊娠四ヶ月が過ぎた辺りなのだが、変わらずつわりが酷く、このところは特に食欲もなければ動く事すら億劫なようで、常に気持ちがブルーな状態が続いている。

 そんな樹奈を心配した恭輔は詩歌に元気付けでやって欲しいと頼み込んでいたのだ。

「無理しちゃダメですよ。今日は私、郁斗さんと恭輔さんが戻るまでここに居ますから、安心してくださいね」
「ありがとう、詩歌ちゃん。一人だとつまらないし、気持ちも下がる一方だから、こうして来てくれるのすごく嬉しい」
「私も樹奈さんとお話するのは凄く楽しいので嬉しいですよ」

 二人の仲は良好で、詩歌が訪ねて来てからというもの未だ体調は悪いものの、樹奈の気分は少しだけ上がっているようだ。

 暫くいつも通りPURE PLACEでの近況報告などを済ませた詩歌。

 今日は前々から気になっていた事を聞いてみようと思っていた。
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