優しい彼の裏の顔は、、、。【完】
電話から三十分が経った頃、恭輔は樹奈の住むマンションまで車で迎えに行き二人は合流した。
「悪かったな、こんな時間に出てこさせて」
「いえ! こんな事がお礼になるのなら喜んでお供させてください!」
恭輔の車に乗った樹奈は、少しだけ緊張していた。
異性の車に乗る機会などこれまで幾度となくあったはずなのに、まるで初めてかのように樹奈の胸の奥はザワついていた。
「あの、それでこれからどこへ向かうんですか?」
「まぁ、行けば分かる。少し距離があるから、眠かったら寝ていても構わねぇぞ」
「いえ、まだ仕事にも復帰していなくて昼間も寝ていたので、大丈夫です!」
「そうか? ならいいが、遠慮しなくていいからな」
「はい! お気遣いありがとうございます」
行き先が気になる樹奈だが、着いたら分かると恭輔が教えてはくれないので更に落ち着かなくなる。
(結構距離があるって事は、遠出? こんな時間から?)
気付けば車は高速の入り口へとやって来ていて、どうやら本当に遠出をするようで、樹奈は若干戸惑いの色を浮かべ始めた。
(本当、どこに向かってるんだろう……)
車内にはラジオから流れる音楽だけで、恭輔は無言のまま車を走らせていく。
(無言っていうのも退屈だし何か話したいけど……何を話せばいいんだろ……)
恭輔は見た目からして話上手では無いと分かるので、彼から話題を振る事がないのは想像がつく。
となれば樹奈自身から話題を振るのが一番良いのだけど、恭輔相手だと何を話せばいいのか悩んでしまう。
「悪かったな、こんな時間に出てこさせて」
「いえ! こんな事がお礼になるのなら喜んでお供させてください!」
恭輔の車に乗った樹奈は、少しだけ緊張していた。
異性の車に乗る機会などこれまで幾度となくあったはずなのに、まるで初めてかのように樹奈の胸の奥はザワついていた。
「あの、それでこれからどこへ向かうんですか?」
「まぁ、行けば分かる。少し距離があるから、眠かったら寝ていても構わねぇぞ」
「いえ、まだ仕事にも復帰していなくて昼間も寝ていたので、大丈夫です!」
「そうか? ならいいが、遠慮しなくていいからな」
「はい! お気遣いありがとうございます」
行き先が気になる樹奈だが、着いたら分かると恭輔が教えてはくれないので更に落ち着かなくなる。
(結構距離があるって事は、遠出? こんな時間から?)
気付けば車は高速の入り口へとやって来ていて、どうやら本当に遠出をするようで、樹奈は若干戸惑いの色を浮かべ始めた。
(本当、どこに向かってるんだろう……)
車内にはラジオから流れる音楽だけで、恭輔は無言のまま車を走らせていく。
(無言っていうのも退屈だし何か話したいけど……何を話せばいいんだろ……)
恭輔は見た目からして話上手では無いと分かるので、彼から話題を振る事がないのは想像がつく。
となれば樹奈自身から話題を振るのが一番良いのだけど、恭輔相手だと何を話せばいいのか悩んでしまう。