優しい彼の裏の顔は、、、。【完】
高速を降りると、車は徐々に山道へと向かって行く。
(……一体、こんな所まで、何しに来てるんだろ?)
時折会話をしていたものの、山道へ差し掛かった辺りから話題が尽きて再び無言になる。
依然としてラジオから流れる音楽だけが車内に響いていたけれど、山道で若干電波が悪いのか途切れ途切れになった事で鬱陶しく感じたのか恭輔が消してしまい無音になる。
それから少ししてどこかの駐車場らしき場所へ辿り着いた瞬間、車はそこに停車した。
「着いたぞ」
「こ、ここですか?」
駐車場らしき入り口に看板があり、小さなライトが照らされて『公園』という文字だけは読み取れたので、ここは恐らく公園の駐車場なのだろう。
けれど、こんな山の中にある深夜の公園駐車場に用のある人など、ほぼ居ないだろう。辺りを見回すと、放置している車なのか、誰かが何かの目的で停めて別の車で移動しているのか、端の方に数台止まってはいるものの、人の気配はまるで無い。
何の目的でこんな場所に来たのか分からない樹奈は、ますます不安な気持ちでいっぱいになる。
「どうした? 降りるぞ」
「え? お、降りるんですか?」
「ああ。もう少し先へ進んだ方が都合が良いんだ。行くぞ」
「……は、はい……」
どうやら恭輔は公園の方へ行こうとしているようで、相変わらず意図が分からない樹奈は若干警戒しつつも車を降りると、恭輔の後に続いて歩き出した。
(……一体、こんな所まで、何しに来てるんだろ?)
時折会話をしていたものの、山道へ差し掛かった辺りから話題が尽きて再び無言になる。
依然としてラジオから流れる音楽だけが車内に響いていたけれど、山道で若干電波が悪いのか途切れ途切れになった事で鬱陶しく感じたのか恭輔が消してしまい無音になる。
それから少ししてどこかの駐車場らしき場所へ辿り着いた瞬間、車はそこに停車した。
「着いたぞ」
「こ、ここですか?」
駐車場らしき入り口に看板があり、小さなライトが照らされて『公園』という文字だけは読み取れたので、ここは恐らく公園の駐車場なのだろう。
けれど、こんな山の中にある深夜の公園駐車場に用のある人など、ほぼ居ないだろう。辺りを見回すと、放置している車なのか、誰かが何かの目的で停めて別の車で移動しているのか、端の方に数台止まってはいるものの、人の気配はまるで無い。
何の目的でこんな場所に来たのか分からない樹奈は、ますます不安な気持ちでいっぱいになる。
「どうした? 降りるぞ」
「え? お、降りるんですか?」
「ああ。もう少し先へ進んだ方が都合が良いんだ。行くぞ」
「……は、はい……」
どうやら恭輔は公園の方へ行こうとしているようで、相変わらず意図が分からない樹奈は若干警戒しつつも車を降りると、恭輔の後に続いて歩き出した。