優しい彼の裏の顔は、、、。【完】
STORY3
「太陽、この子が昨日話したリミの代わりの子」

 翌朝、郁斗に連れられた詩歌は『PURE PLACE』の事務所で太陽に紹介され、彼に色々と教わるよう説明を受けた。

「流石郁斗さんですね。容姿だけならリミ以上だ」
「だろ? ただ、電話で話した通りこの子は男慣れしてない。だから初めは無害そうな客のヘルプに着かせてくれ。それと、酒はNGな」
「分かってます」
「それじゃあ詩歌ちゃん、俺はこれから仕事があるから終わったらまた来るよ。それまで太陽の言う事聞いて、頑張ってね」
「は、はい! 頑張ります。郁斗さんも、お仕事頑張ってください」
「はは、ありがとう。頑張るよ。それじゃあね」

 仕事に行くのに“頑張って”などと言われ慣れていない郁斗は愛想笑いを浮かべつつ、店を後にする。

「さてと、詩歌ちゃんだったね。早速だけど、源氏名はどうしようか?」
「源氏名?」
「あー、えっと、こういう店で働くのって本名だとちょっとなって思うでしょ? だからここで使う用の名前って事」
「ああ、そうですよね。源氏名……うーん、皆さんどのように決められているのでしょうか?」
「そんなに悩まなくても大丈夫だよ。思いついたのを適当に使ってる子がほとんどだし。決めるのが苦手ならこっちで決めてもいいよ」
「それじゃあ、決めてもらってもいいですか?」
「OK。そうだな、それじゃあ白雪(しらゆき)っていうのはどう? 詩歌ちゃん、色白だし、どこか儚げな感じもあるから雪を連想させるって意味で」
「儚げかは分かりませんが、響きが綺麗なので気に入りました。それでお願いします」
「了解。それじゃあ次は衣装だね。こっちに来て」

 太陽に言われ事務所を出た詩歌は奥にある部屋に通される。
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